外国人介護人材のための介護福祉士国家試験対策講座(千葉県)
皆さん、こんにちは。日本介護福祉士会note編集部です。
早いもので、2023年も残りあと1カ月となりました。
そして、いよいよ約60日後には介護福祉士の国家試験が予定されています。
今回は、介護福祉士の資格取得支援の一環として、日本介護福祉士会がプログラム開発をおこなっている「外国人介護人材のための介護福祉士国家試験対策講座」の様子をお伝えします。
(このレポートは、千葉県介護福祉士会さんのご協力(企画・運営)により3日間の日程で実施される一連の対策講座の、第1回講座の取材レポートです)
熱心な受講生たち
午前9時過ぎ。千葉県社会福祉センターの会場に受講生たちが集まり始めました。続々と受付を済ませると、席に着くなり配布資料に目を通す姿に、気合いを感じます。
オリエンテーションでは、千葉県介護福祉士会・八須会長の冒頭あいさつの後、当会事務局より配布資料、スケジュールなどについて、受講生のリアクションや表情を見ながら説明を進めていきました。
対策講座初日の主な学習目標は
オリエンテーション終了後、早速、受講生の手元に回答用紙と問題用紙が配布され、簡易模擬試験が開始されました。
簡易模擬試験の結果は?
回答用紙配布後、事務局スタッフの指示で受験番号、氏名を記入していく受講生たち。何人かの受講生は、名前を書く位置や受験番号の記入方法が分からないようで、教室内から複数の手が挙がっていました。
このあたりの慣れ、不慣れは各国の受験文化の違いなのかは分かりませんが、マークシートの記入例などもレクチャーしてあげても良いのかな、と思いました。
簡易模擬試験の結果は…結構バラエティに富んだものでした。
マークシートの記入方法自体を間違えている受講生、回答の多くが正解の受講生、残念ながら不正解の方が多いかも…な受講生。
ただ、介護現場での経験年数と点数の間には相関関係が見られなかったことから、純粋に受験に向けた準備・学習の積み重ねの結果が模試の点数に表れているのではないかと推察されます。
午後の部は午前中に実施した簡易模擬試験のフォローアップ解説から。
など、単語の読み替えや解釈方法を交えながら回答解説をおこなっていきます。
「3番と5番の違いは?」「噛んで食べ物を口の奥に送ることと飲み込むことの違いってこと?」「(その単語は)知ってます」など、講義中に受講生から自然と声が上がります。直接講師に質問できる機会とあって、皆さん真剣に講義に参加していました。
ピンチはチャンス?試験の日本語攻略のポイント
簡易模試の解説のあとは、恐らく多くの受講生が待ち侘びていたであろう「介護福祉士国家試験の日本語の捉え方」の講義。
講師から簡易模試の振り返りを求められ、多くの参加者が難しかった、大変だったと回答していました。
ある受講者は「現場で出てくる言葉と試験で出てくる単語が違う」「(普段の生活では)通訳が必要ないぐらい分かるのに…」と話してくれていました。
日本語読解が最大のハードルであることを表現している言葉ですが、講師である「国際交流&日本語支援 Y」代表理事の橋本由紀江先生は試験の日本語にはポイントがあると断言します。
「国家試験は日本語の試験ではなく、介護の知識を問う試験。日本語は大体分かれば良い、と思いましょう!」
先生が受講生に伝授したポイントで、私(恐らく他の事務局員も)にとっても目からうろこだったのは、
たとえば、
閲覧、観察、観点、視点…どの熟語にも「見」の字が含まれていて、「見ること」に関連する言葉だな、と想像できますよね。
分からないものについて、これだけ消しても、文章の意味、意外と理解できますよね。
日本語や漢字に苦手意識があっても、自分が知っている言葉から想像したり、分からないものを消したり、工夫して考えることで、答えに近づくことができます。
日本語に限ったことではありませんが、たとえ苦手意識があっても、最後まで諦めずに取り組むことが重要ですね。
一発合格を目指して
最後に、本日の振り返りを兼ねて、一日目の感想と国家試験に向けた意気込みをグループごとに発表してもらいました。
「日本語が苦手で嫌いだったけど、先生の講義を受けて希望が持てた!」「分かりやすくて、毎月開講して欲しいと思った!」「(合格を目指して)みんなで頑張りましょう!」など、受講生からは好評の声や意気込みを聞くことができました。
受講生にとっては、今回の機会が単なる受験対策としてだけでなく、受験勉強に向けたモチベーションアップや、勤務先も国籍も異なる、国際介護人材同士の交流の機会にもなったのではないでしょうか。
私たち日本介護福祉士会としても、受講生からの熱量を感じ、大きな手応えを得た一日でした。
今回の対策講座を開催した、千葉県介護福祉士会の八須会長にお話を伺いました。
いかがでしたか。
資格取得を目指す外国人介護福祉人材の皆様や、外国人介護人材の受け入れをおこなっている施設事業所の皆様にとってご参考になれば幸いです。
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