【介護福祉士国家試験】総合問題🌸(令和5年度出題・問題120・過去問解説27)
過去問解説27
今回の事例問題では、Eさんの「首が痛い、しびれる」という主訴に注目し、それらに関係する疾患を考えると正解を選べます。各選択肢の疾患や症状は、今後もよく耳にするものばかりなので、これを機にそれぞれの疾患や症状について学習して学びを深めましょう♩
Eさんはアテトーゼ型の脳性麻痺があり、食事中に不随意運動が強くなるため、首を振る動作が頻繁に見られます。このような状態が続くと、首の痛みやしびれを訴えることがあります。この情報に基づくと、Eさんが経験する可能性のある二次障害は、首の持続的な不随意運動によって引き起こされるものが考えられます。
✕ 1 . 変形性股関節症(coxarthrosis)
股関節の変形や痛みを引き起こす病態ですが、首の運動とは直接的な関連は少ないです。
✕ 2 . 廃用症候群( syndrome)
長期間動かないことで筋力が低下する状態ですが、Eさんは自助具を使用して積極的に動いているので、このリスクは低いです。
✕ 3 . 起立性低血圧(orthostatic hypotension)
立ち上がる際に血圧が下がる症状ですが、これも首の不随意運動は直接的な関連がありません。
✕ 4 . 脊柱側弯症(scoliosis)
脊柱の横方向への曲がりですが、首の痛みやしびれと直接関連があるわけではありません。
〇 5 . 頚椎症性脊髄症(cervical spondylotic myelopathy)
首の骨が変形し、その結果として神経圧迫されることで、首の痛みやしびれ、その他の神経症状が起こる状態です。Eさんが食事中に頻繁に首を振ることによる不随意運動が強い場合、長期的には首の骨が変形し、神経が圧迫される可能性が考えられます。
監修:日本介護福祉士会 広報委員会
https://note.jaccw.or.jp/m/m7334f146a0be