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水と、空気と、睡眠と。

こんにちは。日本介護福祉士会note編集部です。
先日、賛助会員紹介記事でご紹介した東洋羽毛工業さんにご招待いただき、特別に白河工場の工場見学にお邪魔してきました。

やってきたのは、福島県「新白河駅」。西郷村(にしごうむら)に位置するこの駅は、日本で唯一村にある新幹線の駅だそう🚅秋のおだやかな日差しを受け、深呼吸をすると福島のおいしい空気が身体に沁みわたります。

入口では公式キャラクターのピヨ丸も、歓迎してくれました

はじめに、工場の概要についてご説明いただきました。広大な敷地ですが、30名ほどの精鋭部隊で工場を稼働しているとのこと。そんな工場内について、今回ご案内いただいたのは、縫製、精製(羽毛洗浄)、仕上げの一連の流れ。それぞれ詳しくご紹介していきます。




後工程を見据えた縫製課の熱意

まずご案内いただいたのが、縫製課の作業工程。ロール状の生地が機械に設置され、規定サイズに裁断されていきます。一見、自動裁断の流れ作業かと思いきや、職人さんが流れる生地をじっと見つめています。聞くと、目視で不良が無いか検品しているんだそう。不良とされたサンプル生地をいくつか見せてもらうと、素人目にはどこが不良なのかサッパリ。虫眼鏡を使ってようやく、僅かな汚れや糸のほつれなどが確認できたほど!

早速の職人技に驚きを隠せませんでしたが、この技の源になっているのは「後の工程に不良は出さない」という縫製課の皆さんの強い思い。縫製課の工程だけで26もの検査項目があり、これを通過したものだけが次の工程に回されるそうです。


福島の新鮮な空気と水がつくる、ふわふわの“わた雲羽毛”

次に、羽毛ふとんの鍵となる羽毛の洗浄工程。
原料となる羽毛は、100%海外から輸入しているとのこと。日本の気候では寒暖差が小さすぎて、良質な羽毛に育たないんだそうです。
羽毛は海外から出荷される時点で既に洗浄されているため、そのまま使用するメーカーも多いそうですが、東洋羽毛さんではそのまま使用せず、自社設備で再度洗い直すそうです。「ふとんを使う人の快適な睡眠を1ミリたりとも妨げない!」という信念のもと、海外からの出荷の工程で付着してしまった汚れ、わずかに残った油分などの異物や臭いを徹底的に取り除いていきます。

大きなドラム式洗濯機

洗浄には大きな洗濯機が2種類。掛け・敷き・枕など羽毛のダウン比率に応じて、縦型とドラム式を使い分けているそうです。洗浄には一回につき約60トン(お風呂約400杯分)もの水を使用します。水にもこだわり、もともと綺麗な白河の天然水を特殊装置で「超軟水」にして使用しているそうです。一般の工業用水と比べると、洗剤液の泡立ちが段違い!この洗浄力によって、微細な汚れも徹底除去できるのだそう。

輸入された羽毛も十分綺麗に見えましたが、洗浄後の羽毛は一段とふっくらしていて触っても重さを感じないほど、まるでわた雲のようにふわふわでした!ちなみに、洗剤には植物由来のヤシの実洗剤を使用し、環境負荷にも配慮されています。

洗浄後のふわふわの羽毛

その後、乾燥と度重なる除塵作業等を経て、分離工程へ。風の力を使って、羽毛をフェザーとダウンに分けていく工程です。ここで驚いたのが、分離機自体が木製で出来ているということ。羽毛が静電気でくっつかないよう、また金属との摩擦で羽毛を傷つけないよう、木を採用しているそうです。分離機の中を舞う羽毛はまるで粉雪のようでした。


水はきれいにして地球に返す

続いて、排水処理の工程を見学しました。東洋羽毛さんの工場では河川などから取水した大量の水を使うため、地球環境への配慮が求められます。処理機の地下に貯められた排水は、初めに薬品を使って汚れを取り除いていきます。この時点で既に水はほぼ透明に。さらに微生物による有機物の分解、ろ過装置などを経て、排水準備のため貯水池へ。この貯水池には生きものが生息し生態系を築くなど、処理された水の安全性が伺えます。

一方で取り除いた汚れは、脱水させて体積を減らし産廃処理へ。「これも今後はただ捨てるのではなく、畑のたい肥などに有効活用したい」とのこと。高い環境意識と改善意識を感じました。


妥協のない品質チェックで快適な睡眠へ

最後に仕上げの工程へ。羽毛を生地に詰めて縫製していきます。機械作業ではどうしても羽毛に偏りが生じ、細かい調整が出来ないそうで、一枚一枚計量モニターを確認しながら手作業で丁寧に仕上げていました。敷きふとんの仕上げ作業では、ウレタンフォームと羽毛面を縫い合わせる工程を見せていただきました。上下で同じように縫う必要があり、これには高い縫製技術が必要とのこと。

これでふとんは完成ですが、東洋羽毛さんでは、ここから厳しいチェックが待ち受けます。まずは除塵機でふとん表面についた羽毛や糸を除去した後に、金属探知機、X線工程で異物の混入が無いか徹底的にチェックします。

空港並みに厳しいチェック体制

チェックはこれで終わりではありません。最後は熟練の職人さんによる目視・手触りチェック。ふとん1枚あたり約3分という短時間で、28ものチェック項目を確認しています。例えば、1インチに縫い目が13針~15針以内など。しかし、熟練さんによると縫い目が異なるとすぐ気づくそうです!

福島の澄んだ水で綺麗になり、新鮮な空気をまとった羽毛ふとんは、ここまで来てようやく出荷できる状態に。タグや品質表示にはシリアルナンバーが記載されていて、万が一ふとんに不備があった場合、いつ納入された羽毛か、いつ洗浄したかなど、すぐに調査できる仕組みになっているそうです。さらには各工程の検品担当者の印が押されており、『こうやって各工程のお墨付きを得たものだけが店頭に並ぶんだなぁ』と思うと、目の前のふとんが単なる寝具を超えて、やさしさや安心など東洋羽毛さんの想いがギュッと詰まった別次元の存在に思えてきました。

シリアルナンバー入りのタグと品質表示

いかがでしたでしょうか。東洋羽毛さんの「快適な睡眠」へのこだわりが伝わりましたでしょうか。
何より印象的だったのは、工場スタッフの皆さんが説明中にとても楽しそうだったこと。東洋羽毛さんの一番のファンは、社員さんなんですね。お客様目線や品質へのこだわりの理由が分かった気がしました。


🐥第1段記事はこちら

🐣東洋羽毛工業株式会社「こだわりのものづくり」


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